【哲学】 日本人のための宗教原論 / 小室直樹
こんな本がある。
この本は、
キリスト教、仏教、
各々の宗教の解説はわかりやすく、
とても面白い。
著者が
読者に理解してもらえるよう
努力していることがわかる、
稀有な本である。
私が宗教を勉強したのは
おそらくこの本がきっかけであったように
思える。
小室直樹先生自身、
マックス・ウェーバーに強い影響を受けた方らしく
キリスト教の「予定説」を中心にこの本は書かれている。
予定説。
パウロの「ローマ人への手紙」が
最終的にキリスト教が到達した境地。
人間の自由意思を全否定するとともに
神の権能を最大限に崇める。
信じるものは、救われる。
信じる(人間) ⇒ 救い(神)
予定説に従えば、
人間に自由意思はない以上、
誰が信じるかすら神が決定する。
救い(神) ⇒ 信じる(人間)
救われているから信じられる。
徹底的に受動的である限り
人間は徹底的に能動的になれるといった境地。
私は本を読んで行き詰った時には
必ずこの本に立ち返る習慣がある。
自分が当時感じていたことから
現在、自分はどれだけ離れただろうか?
その距離間は正しいのだろうか?
そんなことを考えながら私はこの本を読む。
私の人生において
とても大切な本である。
当時、
私が感じていた
予定説の意味が少しずつ深化している。
ルターの信仰義認
カルヴァンの予定説
結局は「偶像崇拝の禁止」に行き着く。
今、この概念をさらに研ぎ澄ませるべく、
イスラム教研究へと向かっている。
イスラム教を学ぶならば
やはり井筒俊彦先生の著作を読みたい。
イスラム思想をすべて容認するつもりはないが、
やはり
どう考えたって
私の人生のテーマは
「偶像崇拝の禁止」に行き着く。